-絵になる都-
泉 万里 著
四六判上製カバー装
本文220頁
国立歴史民俗博物館所蔵の洛中洛外図屏風(通称・歴博甲本)は現存最古の洛中洛外図屏風である。天下泰平にはまだ遠い十六世紀前半の絵画だが、そこに描かれたのは、祇園会も滞りなく行われ、洛中を歩く人々の足取りも軽い平穏息災な都の一年である。この歴博甲本の特質を絵画史の視点から捉え直す。
目 次
第一章 景観の選択と構成
第二章 洛中を往来する人々
第三章 風俗表現とその類型
第四章 耕作に励む人々
第五章 行事の情景
第六章 筆者問題の研究史
第七章 人物と景観の様式
第八章 制作の背景
第九章 歴博甲本のあとさき
おわりに