表現の自由と倫理の相克
加須屋明子 編
A5判カバー装 296頁
芸術の「自由」はどこに?
芸術と社会は時に対立し、表現の自由と倫理的制約は複雑な関係にある。その中で歴史修正主義や検閲が、権力の維持やプロパガンダのために使われてきた。芸術が社会に与える影響に焦点を当て、芸術が社会において果たす役割を探求する。
はじめに 加須屋明子
HOMO ARTIFEX ―芸術における自由について レシェク・ソスノフスキ(加須屋明子 訳)
戦後の歴史認識 日本とポーランド 吉岡洋
新しい回帰 アンダ・ロッテンベルク(加須屋明子 訳)
ロマン・インガルデン ―人間と創造する義務 レシェク・ソスノフスキ(加須屋明子 訳)
芸術と民主主義 ポーランドと日本の事例から 加須屋明子
「展示」という制度と大衆 ―文化の基層構造から美術制度を捉える― 山下晃平
芸術の伝統 近代化と検閲 マリア・ブレヴィンスカ(加須屋明子 訳)
ホロコースト芸術に対するポーランドの歴史政策 ピョトル・フォレツキ(加須屋明子 訳)
戦争の記憶と忘却 ―日本とポーランド― 重田園江
ホロコースト写真をめぐる倫理的諸問題― カダン、≪諸国民なかの正義の人≫、カラー写真 加藤有子
国家主義者による記憶の流用について ピョトル・リプソン(加須屋明子 訳)
ウェストスプレイニング ―中東欧諸国における政治歴史的主体の回復 現代美術作家の諸例から パヴェウ・パフチャレク
高度情報化社会における検閲の考え方―AI時代を見据えて― 井出明
ラウンドテーブル・ディスカッション 加須屋明子 編
おわりに 加須屋明子
参考文献一覧
図版出典一覧
〔ワークショップ報告〕音響実践としてのブリコラージュ ―芸術表現の自由に関する国際会議への芸術的実践的貢献として― 講師 ダニエル・コニウシュ 司会 加須屋明子
行事一覧/ List of events
概要/ Summary
執筆者一覧
事項索引
人名索引